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シリーズBとは?シリーズAとの違い・調達額・資金調達方法・転職のポイントを徹底解説

2026.08.07

  • スタートアップ

シリーズBとは、PMFを達成したスタートアップが事業をスケールアップさせるために実施する資金調達です。「事業の成立を証明する」シリーズAとは異なり、「成立した事業をどこまで大きくできるか」を証明するラウンドであり、調達規模・投資家の多様性・審査の厳格さが一段上がります。

この記事では、シリーズBの定義・シリーズAとの違い・調達額・成功事例から、転職のポイントまで網羅的に解説します。

シリーズBとは?定義と投資ラウンドの位置づけ

シリーズBはスタートアップが「事業の成立を証明した次のステージ」として実施する資金調達です。シリーズAで得た実績をもとに、事業のスケールアップを加速させるための大型調達であり、投資の性質・規模・求められる準備がシリーズAと大きく異なります。

シリーズBの意味と定義

シリーズBとは、PMFを達成し再現性のある顧客獲得モデルを確立したスタートアップが、事業をスケールアップさせるために実施する資金調達です。B種優先株式を発行して調達するため「シリーズB」と呼ばれます。

シリーズBの特徴は以下のとおりです。

  • シリーズAで「事業の成立」を証明したうえで、「スケールの再現性」を示すラウンド
  • 調達資金は主に採用の大規模拡大・マーケティング投資・新市場参入・組織体制の強化に充てられる
  • シリーズAと比べて調達規模が大幅に拡大し・投資家のDDもより厳格になる
  • 大手VC・PE(プライベートエクイティ)・CVCなど多様な投資家が参画するケースが増える

シリーズBは「このビジネスは大きく成長できるか」を証明するラウンドであり、シリーズAの「このビジネスは成立するか」とは問われる問いが根本的に異なります。

関連記事:スタートアップのフェーズとは?定義や資金調達ラウンドについて徹底解説

シリーズAとの違い・シリーズCとの違い

シリーズAとの違い

観点シリーズAシリーズB
調達の目的PMFの達成・事業の成立を証明スケールアップ・成長の再現性を証明
調達額の目安数千万〜数億円数十億円
投資家が見るポイントPMFの達成度・チームの質成長率・ユニットエコノミクス・市場シェア
主な調達先独立系VC・CVC大手VC・PE・CVC
組織規模数名〜数十名数十名〜100名規模

シリーズAが「事業の可能性への投資」であるのに対し、シリーズBは「実証された事業の成長加速への投資」という性格を持ちます。

関連記事:シリーズAとは?調達額・資金調達方法・シリーズBとの違い・転職のポイントを徹底解説

シリーズCとの違い

シリーズBはスケールアップの初期段階であるのに対し、シリーズCはスケールが証明された事業のさらなる拡大・またはIPO・M&Aに向けた最終段階の調達という性格が強くなります。シリーズCでは収益性・市場シェア・グローバル展開の道筋がより重視されます。

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よくある質問

Q:シリーズAとシリーズBの間に「プレB」という調達はありますか?
A:はい、あります。シリーズAの資金では足りないがシリーズBを実施するには実績がまだ不十分というタイミングで、プレB(プレシリーズB)として中間的な調達を行うケースがあります。数億円規模の調達が多く、シリーズBへの布石としての位置づけです。日本でも増加傾向にあり、特にSaaS・フィンテック・ヘルスケック領域で見られます。

Q:シリーズBを調達したスタートアップはどのくらいありますか?
A:シリーズAを実施したスタートアップのうち、シリーズBまで到達できるのは一般的に30〜40%程度とされています。PMFを達成しても「再現性のある成長モデルの確立」「シリーズBレベルの投資家を納得させるデータの整備」ができないケースが多く、シリーズBもスタートアップにとって重要な関門のひとつです。

シリーズBの特徴

シリーズBはシリーズAと比べて調達規模・投資家の多様性・審査の厳格さが一段上がります。「数字で語れるか」が問われるシリーズAに対し、シリーズBでは「その数字を大きく伸ばせる根拠があるか」まで求められます。

調達額の目安とバリュエーション

シリーズBの調達規模は事業の成熟度・業種・市場規模によって異なりますが、以下が一般的な目安です。

項目目安
調達額数十億円(5億〜30億円が多い)
企業バリュエーション数十億〜100億円
投資家が取得する株式比率15〜25%程度
資金の主な用途大規模採用・マーケ投資・新市場参入・組織体制強化

シリーズAと比べてバリュエーションが大幅に上昇するため、創業者・既存株主の希薄化は相対的に抑えられます。一方で調達規模が大きい分、投資家のデューデリジェンス(DD)はより精密になり、財務・法務・事業・組織の精査が厳格に行われます。

バリュエーションの算出にはシリーズAと同様に類似企業のマルチプル・DCFが使われますが、シリーズBでは「売上成長率×業界標準マルチプル」という形で実績データがより重視されます。

主な調達先(VC・CVC・PE)

シリーズBになると調達先の多様性が増し、シリーズAでは参入しなかった大型ファンドが参画します。

大手VC(ベンチャーキャピタル) シリーズBでは国内大手VCに加え、海外VCが参画するケースも増えます。調達規模が大きくなるため、複数のVCがシンジケートを組んで出資するケースが多いです。

PE(プライベートエクイティ)ファンド シリーズBからPEファンドが参画するケースが増えます。VCより大型・長期の投資が可能であり、IPO・M&Aに向けた経営支援・財務戦略の専門性が期待できます。一方でVCより経営への関与・イグジットタイムラインへの要求が強い傾向があります。

CVC(コーポレートベンチャーキャピタル) 事業会社のCVCはシリーズBでも積極的に参画します。販路開拓・技術連携・海外展開サポートなどのシナジーが期待できる一方、親会社との関係が将来の独立性に影響するリスクには注意が必要です。

事業法人からの戦略的投資 シリーズBになると、VCやPEだけでなく事業会社が直接投資(戦略的投資)するケースも増えます。特に提携・協業・M&Aを視野に入れた投資であることが多く、資金調達と同時にビジネス上のパートナーシップが生まれることもあります。

投資家がシリーズBで重視するポイント

シリーズBの投資判断で重視されるのは以下の4点です。

① 成長率の高さと再現性 「月次・四半期での売上成長率が高い」だけでなく「その成長は再現性があり今後も続くか」が最重要です。成長率が高くても解約率が高ければ評価されません。コホート分析・リテンション率・顧客の継続率が成長の「質」を示す指標として重視されます。

② ユニットエコノミクスの改善トレンド LTV/CAC比率・CACの回収期間・粗利率などのユニットエコノミクスが改善し続けているかが重視されます。シリーズBでは「シリーズA時点よりユニットエコノミクスが改善している」という変化のトレンドが投資家の信頼を高めます。

③ 市場シェアと競合優位性 参入市場での現在のシェア・今後のシェア拡大の道筋・競合に対する差別化要因(技術・ネットワーク効果・コスト優位性など)を説明できることが求められます。「なぜこの会社が市場を取り続けられるのか」という持続的競合優位性の説明が重要です。

④ 経営チームのスケール能力 シリーズBでは事業だけでなく「この経営チームは数百名・数千名規模の組織を率いて事業をスケールさせられるか」という視点での評価が加わります。CFO・COO・各部門責任者など経営チーム全体の質と実績が問われます。

よくある質問

Q:シリーズBの調達でリード投資家を選ぶ基準は何ですか?
A:シリーズBのリード投資家選びでは「金額・バリュエーション」に加えて「スケールフェーズへの支援実績」「ポートフォリオ企業との比較知見」「次のシリーズCや上場への橋渡し力」が重要な判断基準になります。シリーズBからIPOまでをサポートできる投資家を選ぶことで、その後の調達・経営支援がスムーズになります。また、既存投資家(シリーズAのリードVC)が追加出資してくれるかどうかは、新規投資家にとって「既存投資家が事業の継続成長を信じているサイン」として評価されます。

Q:シリーズBの調達には何ヶ月かかりますか?
A:シリーズAより複雑なDDが入るため、一般的に4〜6ヶ月程度かかるケースが多いです。複数の投資家との並行交渉・財務・法務・事業のDD・タームシート交渉・クロージングと多くのプロセスがあります。CFOまたは財務責任者が社内にいるかどうかで調達プロセスのスピードが大きく変わるため、シリーズBを見据えてCFOを早期に採用しておくことが有効です。

シリーズBの資金調達方法とよくある失敗パターン

シリーズBの資金調達はシリーズAと比べてプロセスが複雑化し・関与する専門家も増えます。成功のポイントを押さえながら、よくある失敗パターンを事前に知っておくことで、調達の成功確率を高められます。

主な資金調達方法

シリーズBでは以下の調達方法が活用されます。

エクイティファイナンス(株式による調達)がシリーズBの中心的な手段です。B種優先株式を発行してVC・PE・CVC・事業会社から調達します。希薄化が生じますが、返済義務がなく大型の資金を一度に調達できる点がメリットです。

デットファイナンス(融資)との組み合わせもシリーズBから本格的に活用されます。シリーズBを実施した実績のある企業は銀行融資の審査が通りやすくなるため、エクイティ調達と融資を組み合わせることで希薄化を抑えながら必要な資金を確保できます。

転換社債(CB)・ワラント債は、将来の株式転換オプションを組み合わせた調達手段です。バリュエーションの合意が難しい局面や、クロージングを急ぐ場面でブリッジ調達として活用されるケースがあります。

シリーズBで資金調達を成功させる3つのポイント

① シリーズA時点からの「成長ストーリー」を数字で示す

シリーズBの投資家が最も説得力を感じるのは「シリーズA調達時の約束を果たし・さらに成長した」という実績です。シリーズA時に投資家に示したKPI目標と実績の比較・成長率の推移・ユニットエコノミクスの改善トレンドをまとめた「シリーズAからシリーズBへの成長ストーリー」を用意することが基本です。

② CFOを早期に採用してDDに備える

シリーズBのDDでは財務モデル・管理会計・契約書・株主構成・労務などの精査が行われます。CFO・財務責任者が社内にいない状態でDDに臨むと、資料準備・投資家対応に膨大な時間がかかり・プロセスが長引くリスクがあります。シリーズBを見据えて6〜12ヶ月前にCFOを採用しておくことが、調達プロセスを円滑に進める最も有効な準備のひとつです。

③ 複数の投資家と並行して交渉し競争環境を作る

シリーズBでは1社のリード投資家候補に絞って交渉を進めると、バリュエーション・条件交渉力が大幅に低下します。5〜10社の投資家候補と並行してプロセスを進め・複数のタームシートを取得することで、有利な条件での調達が実現しやすくなります。「どの投資家と組むか」の選択権を持つ状態を維持することが、シリーズBを成功させる重要な戦略です。

シリーズBでよくある失敗パターンと対策

失敗パターン①:ユニットエコノミクスが改善していない状態で調達に臨む

成長率は高くても、CACが高止まりしている・チャーン率が改善していない・粗利率が低いという状態では、シリーズBの投資家を説得することは困難です。

対策:調達の6〜12ヶ月前からユニットエコノミクスの改善を最優先KPIとして設定し、データで改善トレンドを示せる状態を作ってから投資家へのアプローチを開始します。

失敗パターン②:資金が逼迫してから調達活動を始める

シリーズBも調達完了まで4〜6ヶ月かかります。ランウェイが残り3〜4ヶ月になってから動き始めると、投資家に「焦り」が伝わり交渉力が激減します。

対策:ランウェイが12〜18ヶ月残っているタイミングで動き始めます。「余裕があるうちに調達する」という逆算の発想が重要です。

失敗パターン③:DDで法務・財務の問題が発覚して調達が長引く

株主構成の複雑さ・未整備の契約書・労務問題・知的財産の権利関係など、DDで問題が発覚すると調達プロセスが大幅に遅延します。

対策:調達開始前に弁護士・会計士と連携して「プレDD」を実施し、問題点を事前に洗い出して対処しておきます。

失敗パターン④:経営陣の交代・組織の混乱が調達中に起きる

シリーズBの調達中に共同創業者の離脱・主要幹部の退職が起きると、投資家の信頼が揺らぎ調達が白紙になるケースがあります。

対策:調達プロセス中は経営チームの安定維持を最優先にし、重要な人事決定は調達完了後にずらすことが賢明です。

よくある質問

Q:シリーズBで調達した資金の使い方で失敗するケースはありますか?
A:よくある失敗は「PMFが完全でない状態でスケールに投資すること」です。シリーズBを調達しても、チャーン率が高い・顧客獲得モデルの再現性が低いという状態で大規模なマーケティング・採用投資を行うと、穴の開いたバケツに水を注ぐ状態になります。調達後の資金使途は「投資すれば成長が加速する領域に集中する」という原則を守ることが重要です。

Q:シリーズBで海外VCから調達するメリットはありますか?
A:グローバル展開を視野に入れている場合、海外VCからの調達には「海外市場への橋渡し」「グローバルネットワークの活用」「次のラウンドでの海外投資家紹介」という大きなメリットがあります。ただし、海外VCはバリュエーション・ガバナンス・イグジット戦略において日本のVCとは異なる基準を持つことがあるため、条件面の交渉には専門家のサポートが不可欠です。

シリーズBの資金調達成功事例

シリーズBの調達を成功させた企業には、共通した準備のパターンと投資家を説得するためのストーリーがあります。ここでは実際の成功事例2選と、そこから学べる共通点を解説します。

成功事例2選

事例①:株式会社T2|シリーズBで50億円を調達(累計165億円超)

自動運転システムの開発・レベル4自動運転トラックによる幹線輸送サービスを手がける株式会社T2の事例です。「物流の2024年問題」によるトラックドライバー不足という社会課題を解決するビジョンを掲げ、2027年度以降のレベル4自動運転トラック幹線輸送サービスの商用化を目指しています。

シリーズBでは50億円(1stクローズ)を調達し、累計調達額は165億円を超えました。注目すべきはその投資家構成です。MOL PLUS・住友倉庫・フジトランスコーポレーション・栗林商船・住友三井オートサービス・大和ハウスベンチャーズ・三井不動産&イノベーションファンド・吉田海運・K4V・Life Design Fund(イオンモール)・MLCベンチャーズ(三菱倉庫グループ)の11社という、物流・海運・倉庫・不動産など業界横断の事業会社CVCが名を連ねています。

単なる資金調達にとどまらず、将来の自動運転トラックの顧客・パートナー企業を株主として取り込む戦略的な調達スキームが特徴です。2025年夏には商用運行を事業化し、ユーザー企業はすでに23社に拡大しています。

成功の要因:「解決する社会課題の明確さ(物流2024年問題)」「業界横断の事業会社CVCを戦略的に組み合わせた調達設計」「商用運行の事業化という具体的な実績」の3点が、大規模調達を実現した鍵です。ディープテック・社会インフラ領域における「事業会社を株主として巻き込む」シリーズBの好事例といえます。

参考:シリーズBラウンド 1stクローズで50億円の資金調達を実施 累計額は165億円超に

事例②:株式会社ElevationSpace|シリーズBで64億円を調達(累計101億円超)

宇宙から地球への輸送サービスを展開する株式会社ElevationSpaceの事例です。日本独自の小型衛星帰還技術を活用し、微小重力環境での実験と地球への回収を可能にする無人衛星プラットフォーム「ELS-R」と、宇宙ステーションから地球へのカプセル輸送サービス「ELS-RS」を開発しています。

シリーズBでは64億円を調達し、累計調達額は101億円を超えました。投資家にはBeyond Next Ventures・Sparks Asset Management・大日本印刷・トヨタ合成・NTTドコモベンチャーズ・三菱UFJキャピタル・SBIインベストメントなど、VCと事業会社CVCが幅広く参画しています。

調達の背景には、主力衛星「葵」のCDR(詳細設計審査)完了・Axiom Spaceとの大気圏再突入サービスにおける協力合意・Redwireとのバイオテクノロジー分野での協業・社員80名超への組織拡大・政府の宇宙戦略基金への採択という複数のマイルストーン達成がありました。調達資金は国内外の事業開拓とサービス開発の加速に充てられます。

成功の要因:「技術開発の節目(CDR完了)と資金調達のタイミングを合わせたこと」「Axiom Space・Redwireという海外の著名宇宙企業との提携実績」「政府の宇宙戦略基金への採択という公的認定」の3点が、VCと事業会社CVCの双方から信頼を獲得した鍵です。ディープテック領域における「技術の節目×外部実績×公的支援」という三拍子が揃った調達の好事例です。

参考:ElevationSpace、シリーズBで64億円の資金調達を完了。累計調達額は101億円に

成功事例から学ぶ共通点

2つの事例を通じて、シリーズBの調達成功企業には以下の共通点があります。

① 「誰が・なぜ投資するか」を戦略的に設計している T2・ElevationSpaceいずれの事例も、VCだけでなく将来の顧客・パートナー企業となりうる事業会社CVCを戦略的に株主として迎えています。シリーズBでは「誰から調達するか」の設計が資金以上の価値をもたらします。

② 技術・事業の節目を調達タイミングに合わせている ElevationSpaceのCDR完了・T2の商用運行事業化のように、「この会社は約束したことをやり遂げた」という具体的な実績の節目に合わせて調達に臨むことが、投資家の信頼を獲得するうえで有効です。

③ 社会課題・業界課題との接続が調達を加速させる 「物流2024年問題」「ポストISS時代の宇宙インフラ」という明確な社会課題との接続が、投資家の投資動機を直接刺激しています。特にCVC・事業会社からの調達においては、課題設定の解像度が評価を左右します。

よくある質問

Q:シリーズBで事業会社CVCを株主に迎えるメリットはありますか?
A:T2・ElevationSpaceの事例が示すように、将来の顧客・パートナー企業をCVCとして株主に迎えることで、資金調達と同時に事業開発・販路獲得・業界での信頼性向上を実現できます。特に物流・宇宙・医療・金融など、業界の内側からの信頼が事業成立の条件となる領域では、事業会社CVCを戦略的に組み合わせた調達設計が大きな強みになります。

Q:シリーズBを調達した後、どのくらいでシリーズCまたはIPOに進みますか?
A:一般的にシリーズBから次のフェーズ(シリーズCまたはIPO準備)までは18〜36ヶ月程度のケースが多いです。市場環境・事業の成長スピード・IPOウィンドウの状況によってタイムラインは変わるため、柔軟に判断することが重要です。

シリーズB調達後スタートアップ転職

シリーズB調達直後は、スタートアップへの転職において特に魅力的なタイミングです。大規模採用が始まり・組織体制の整備が急務となるこの時期は、専門性を持つ人材が最も活躍しやすいフェーズでもあります。

シリーズB後に採用が活発化するポジション

シリーズBを完了したスタートアップが最も積極的に採用するポジションは以下のとおりです。

部門採用が増えるポジション求められる経験
セールス営業マネージャー・エンタープライズ営業・CS大手法人営業・SaaS営業・チームマネジメント
マーケティングマーケ責任者・グロース・ブランドデジタルマーケ・コンテンツ・広告運用の責任者経験
プロダクトプロダクト責任者・PM・UXデザイナープロダクト開発・ユーザーリサーチ・スケール経験
エンジニアテックリード・SRE・データエンジニア大規模システム・インフラ・データ基盤の経験
コーポレートCFO候補・人事責任者・経営企画上場企業での管理部門・M&A・組織設計経験
マネジメント部門長・事業責任者・COO候補チームマネジメント・P&L管理・組織拡大経験

シリーズBではシリーズAと比べて「マネジメント経験者」「管理部門の専門家」への需要が急増します。組織が数十名から100名超に拡大するため、「プレイヤーとして動く人材」より「チームを率いて成果を出せる人材」が優先的に採用されます。

シリーズB調達後に転職するメリット・注意点

メリット

  • 組織の急拡大期に幹部・責任者として入れる:シリーズBは組織が最も急拡大するタイミングであり、早期に入社することで部門立ち上げ・チーム組成を自分主導で進められる可能性が高いです
  • 年収水準が大幅に改善している:シリーズBを完了した企業はシリーズAと比べて資金余力があり、大企業に近い年収水準での採用が可能になるケースが増えます
  • 廃業リスクが低く・安定性が高い:PMFを達成し・大規模調達も完了しているため、シード・アーリー期と比べて事業の存続リスクが大幅に低下しています
  • ストックオプションのアップサイドもまだ期待できる:シリーズCやIPO前と比べてバリュエーションが低い段階であるため、ストックオプションの条件がまだ有利な状態です

注意点

  • 即戦力・マネジメント能力が前提:シリーズBの採用は「育成前提」ではなく、入社直後から組織を動かし成果を出せることが期待されます
  • 組織変化のスピードが速い:半年で組織の構造・役割・報告ラインが大きく変わることがあるため、変化への適応力が求められます
  • シリーズCへの布石となる成果が求められる:シリーズBの資金を使って「シリーズCへの実績を作る」というプレッシャーが全社的にあるため、高い目標に向けて動き続ける覚悟が必要です

転職前に確認すべきポイント

  1. 調達完了からの経過時間:調達直後であるほどランウェイに余裕があり・採用ポジションも多いため、タイミングを見極めることが重要です
  2. 組織の現在地と採用計画:現在の人員規模・どのポジションを何名採用する計画かを確認し、自分の役割の位置づけを把握します
  3. シリーズCへのマイルストーン:次の調達に向けてどのような目標を持っているか・自分のポジションがそこにどう貢献するかを確認します
  4. ストックオプションの条件:付与株数・行使価格・ベスティングスケジュールを書面で確認し、意味のある水準かどうかを見極めます
  5. 経営チームの質:CEO以外のCFO・COO・各部門責任者が揃っているかを確認し、スケールフェーズを経営できる陣容かどうかを判断します

関連記事:スタートアップ企業に転職する前に知っておきたい8つのこと

よくある質問

Q:シリーズB調達後の企業に転職する場合、大企業経験者とスタートアップ経験者どちらが有利ですか?
A:ポジションによって異なります。マネジメント・管理部門・大手顧客対応のポジションでは大企業経験者が評価されやすく、プロダクト・グロース・事業開発では前職スタートアップ経験者が有利になるケースが多いです。最も評価が高いのは「大企業での専門性×スタートアップでの実行経験」を両方持つ人材であり、このハイブリッドなキャリアを持つ方はシリーズB転職市場で非常に競争力があります。

Q:シリーズB調達後の企業は転職エージェントを使って探せますか?
A:はい、ただしスタートアップ・ベンチャー転職に特化したエージェントを活用することをおすすめします。シリーズBの求人は一般的な転職サイトに掲載されない非公開案件が多く、会社の実態・調達の背景・ポジションの裁量範囲などの詳細情報を持つエージェントを通じることで、転職活動の質が大きく変わります。

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